小型船舶操縦士(船舶免許)学科試験

船舶免許の学科は独学で合格できる? 国家試験の受け方・出題範囲・勉強の進め方

学科試験だけなら、独学で国家試験を直接受けることができます。出題範囲は公式の教則「小型船舶の航行の安全に関する教則」に限られ、教則自体が試験機関(JMRA)のサイトで公開されています。合格基準は「各科目で半分以上」かつ「合計で 65 パーセント以上(端数切り上げ)」なので、勉強の順番は出題数の多い科目から、捨て科目は作らない、が基本になります。

独学で受ける経路はある(国家試験を直接受験する)

小型船舶操縦士の免許を取る方法は 2 通りあります。ひとつは国家試験(身体検査・学科・実技)を直接受験する方法、もうひとつは登録小型船舶教習所で講習を受けて修了試験に合格し、国家試験の学科と実技を免除される方法です。独学で学科を受けるなら前者です。

  • 試験は身体検査 → 学科試験 → 実技試験の順に受けます。身体検査に合格しないと学科・実技は受けられません
  • 学科試験と実技試験の合格はそれぞれ 2 年間有効です。学科に合格して実技が不合格だった場合も、有効期間内は学科の合格が引き継がれます
  • 申込・日程の確認は JMRA の申込システムで行います

学科試験の受験手数料(2025 年 1 月 1 日以降)は、二級 4,850 円・一級 10,000 円・特殊 4,400 円・二級(湖川小出力限定)4,250 円です。身体検査(証明書なし 4,250 円 / あり 2,450 円)と実技試験の手数料は別にかかります。

出題範囲は公式教則の 4 章に限られる

国土交通省の案内には「試験問題は『小型船舶の航行の安全に関する教則』の範囲から出題されます」と明記されています。教則(令和 5 年 4 月 1 日施行)は JMRA のサイトで PDF が公開されており、独学の教材はまずこれです。

教則の章と学科試験の科目の対応
教則の章試験の科目二級の出題数一級の追加
第 1 章 小型船舶の船長の心得及び遵守事項心得12 問
第 2 章 交通の方法交通の方法14 問
第 3 章 運航運航24 問
第 4 章 5 海里以遠を航海するための運航上級運航Ⅰ(航海)・上級運航Ⅱ(機関)8 問 + 6 問

特殊(水上オートバイ)は心得 12・交通 10・運航 18 の 40 問、二級(湖川小出力限定)は心得 10・交通 8・運航 12 の 30 問(正誤式)です。第 3 章「運航」は、一般小型船舶・特殊小型船舶・湖川小出力小型船舶の 3 節に分かれています。受ける区分に対応する節を中心に読むことになります。

合格基準から逆算する勉強の進め方

合格基準は、各科目で配点の半分以上、かつ合計で二級 33/50・特殊 26/40・湖川 20/30(一級は一般 33/50 と上級 10/14 の両方)です。この基準から言えることが 3 つあります。

  • 出題数の多い「運航」から取り組む。二級では 50 問中 24 問が運航で、ここを落とすと合計 33 問に届きません
  • 捨て科目を作らない。心得(12 問)や交通の方法(14 問)で半分を割ると、合計が足りていても不合格になります
  • 交通の方法は法令の知識が中心(海上衝突予防法・港則法・海上交通安全法)なので、教則の該当章を条文の趣旨ごと押さえる

一般的には、教則を一度通読してから問題演習で穴を見つけ、教則に戻って埋める、という往復が独学の基本形です。どのくらいの期間が必要かは個人差が大きく、公式資料に目安はありません。

この記事の「勉強の進め方」は公表されている合格基準と出題数から導いた一般的な考え方です。合否を保証するものではありません。

独学で受ける前に確認しておくこと

  • 年齢: 一級・二級は 18 歳、特殊と二級(技能限定)は 16 歳から取得できます
  • 免許証の有効期間は 5 年で、更新には身体検査と更新講習の修了などが必要です
  • 実技試験は独学が難しい部分です。一級・二級は 5 トン未満の試験船で、小型船舶の取扱い・基本操縦・応用操縦が採点されます(科目別 60% 以上かつ合計 70% 以上)
  • 制度や手数料は改定されることがあります。受験前に JMRA と国土交通省の案内で最新の情報を確認してください

まずは今の実力を測る

Lorebook には船舶免許の学科問題 440 問のうち 112 問を無料で公開しています。区分を選んで 10 問解くと、合格ラインに対して今どの位置にいるかが分かる「実力チェック」も用意しました。教則を読む前後で試すと、どの科目から手を付けるべきかが見えます。

よくある質問

教習所に通わずに船舶免許は取れますか?
取れます。国家試験(身体検査・学科・実技)を直接受験する経路が公式に用意されています。登録小型船舶教習所は、講習と修了試験で国家試験の学科・実技が免除される別の経路です。
学科試験の教材は何を使えばいいですか?
出題範囲は「小型船舶の航行の安全に関する教則」に限られ、JMRA のサイトで PDF が公開されています。まずこの教則が公式の教材です。
学科に合格して実技に落ちたら、学科も受け直しですか?
学科試験の合格は 2 年間有効なので、有効期間内は学科の合格が引き継がれます。身体検査の合格は 1 年間で、身体検査に合格していないと学科・実技は受けられません。
二級の学科は何問正解で合格ですか?
50 問中 33 問以上、かつ心得・交通の方法・運航の各科目で半分以上の正解が必要です。
一級を独学で受ける場合、二級と何が違いますか?
一般科目 50 問に上級運航Ⅰ(航海)8 問・上級運航Ⅱ(機関)6 問が加わり、上級科目だけで 14 問中 10 問以上の正解が別途必要です。試験時間は 2 時間 20 分です。

出典

本記事は公表資料に基づく解説で、合否を保証するものではありません。制度・手数料は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。

関連する記事

実力チェックで今の力を測る(10問・無料)