小型船舶操縦士(船舶免許)学科試験

水上バイク(ジェットスキー)の免許の取り方 — 特殊小型船舶操縦士の試験と費用

水上バイク(水上オートバイ)を操縦するには「特殊小型船舶操縦士」の免許が必要で、一級・二級のボート免許では操縦できません。16 歳から取得でき、学科は 40 問を 50 分、実技は定員 3 名の水上オートバイで約 20 分です。国家試験の受験料は合計 27,650 円、交付時に登録免許税 1,500 円がかかります。水上オートバイには自己操縦義務があり、免許のない人に操縦させることはできません。

水上バイクに乗るには「特殊」の免許が要る

国土交通省は「水上オートバイを操縦するためには、『特殊』の免許を所有しなければなりません(一級・二級の免許では操縦できません。)」と明記しています。JMRA も「水上オートバイに船長として乗船するには特殊小型船舶操縦士の免許が必要となります」と案内しています。

逆に、特殊ではボートを操縦できません。JMRA は「ボートと水上オートバイの関係は、自動車と自動二輪車に例えると理解しやすいでしょう」と説明しています。両方を取得すると「両方を合わせて表示した 1 枚の操縦免許証が交付」されます。

操縦できる水面について JMRA は「水上オートバイという船そのものの航行できる区域です。(湖岸や海岸から 2 海里:約 3.7 キロメートル)」と案内しています。法令上の「特殊小型船舶」は施行規則第 127 条が定義しており、長さ 4 メートル未満かつ幅 1.6 メートル未満であること、ハンドルバー方式など身体のバランスを用いて操縦すること、ジェット式ポンプで航行すること、操縦者が船外に転落した際に推進機関が自動的に停止する機能を持つことなどが要件です。

国土交通省は「平成 15 年 6 月 1 日より前にボート免許を取得された一級から五級までの海技免状であれば、引き続き水上オートバイを操縦できます」とも案内しています(四級及び五級の湖川小馬力限定免許は除く)。

16 歳から取得できる。受験は 15 歳 9 月から

法第 23 条の 4 は、特殊小型船舶操縦士の免許を与える年齢を 16 歳としています(一級・二級は 18 歳)。受験できる年齢はこれとは別で、施行規則第 98 条は特殊試験を「試験開始期日の前日までに」15 歳 9 月以上と定めています。JMRA の年齢表も、特殊の受験資格を「15 歳 9 か月から」、免許取得資格を「16 歳以上」と案内しています。

学科は 40 問・50 分。実技は取扱いと操縦の 2 科目

特殊の学科試験は、心得 12 問・交通の方法 10 問・運航 18 問の 40 問を 50 分で解く四肢択一です。合格には各科目で半分以上(心得 12 問中 6 問以上・交通 10 問中 5 問以上・運航 18 問中 9 問以上)、かつ 40 問中 26 問以上が必要です。出題数と合格基準の全体像は難易度の記事にまとめています。

国土交通省が公表している科目の細目では、特殊の「交通の方法」は一般水域・湖川及び特定水域・港内及び特定海域での交通の方法、「運航」は運航上の注意事項・操縦一般・航法の基礎知識・点検及び保守・気象及び海象の基礎知識・事故対策です。「心得」は一級・二級と共通です。

実技試験の科目は「小型船舶の取扱い」(発航前の準備及び点検/結索)と「操縦」(安全確認/発進、直進及び停止/旋回及び連続旋回/危険回避/人命救助)です。配点は取扱い 80 点・操縦 220 点の計 300 点で、合格の基準は合計が配点合計の 70% 以上(科目別の基準なし)。試験船は「定員 3 名の水上オートバイ」です。

実技試験の所要時間は資料によって表記が違います。JMRA の現行の案内と国土交通省の表はいずれも約 20 分ですが、JMRA が 2021 年 7 月付で公開している受験案内 PDF には「概ね 15 分」と書かれています。

水上オートバイは「有効な資格を有する者」が操縦しなければならない

小型船舶操縦者には、一定の場面で自ら操縦する義務(自己操縦義務)があります。法第 23 条の 40 第 2 項は「小型船舶操縦者は、…国土交通省令で定めるときは、自らその小型船舶を操縦しなければならない」と定め、続けて「ただし、乗船基準において必要とされる資格に係る操縦免許証を受有する小型船舶操縦士が操縦する場合その他の国土交通省令で定める場合は、この限りでない」としています。

対象の場面は施行規則第 134 条が「一 港則法に基づく港の区域を航行するとき 二 海上交通安全法に基づく航路を航行するとき 三 特殊小型船舶に乗船するとき」と定めており、水上オートバイは航行するすべての場面が含まれます。JMRA の FAQ も「下記の場合は有効な資格を有する者の自己操縦が義務付けられています」として、同じ 3 つの場面を挙げています。

ただし書きと施行規則第 135 条により、必要とされる資格の操縦免許証を持つ人が操縦する場合は義務の対象外です。つまり禁じられているのは、免許を持たない人に操縦させることです。なお施行規則第 137 条第 1 項第 1 号により、航行中の特殊小型船舶に乗船している場合は、船外転落に備えた救命胴衣等の着用の対象です。

国土交通省の Q&A は例外にも触れ、体験乗船などで「免許を有していない人が操縦(必要な資格を持った船長の操船指揮は必要)をしても安全であることが確認されれば、自己操縦の免除を受けることができます」としています。

取り方は 2 経路。費用は受験料 27,650 円と登録免許税 1,500 円

特殊も他の区分と同じく、国家試験を直接受ける経路と、登録小型船舶教習所で課程を修了して学科・実技試験の免除を受ける経路の 2 通りです。教習所の法定カリキュラムは特殊が学科 6 時間以上・実技 1.5 時間以上で、国土交通省 Q&A の流れ図では教習日程は 2 日以上。免許スクールの目安は JMRA の案内で学科半日・実技半日です。

国家試験の受験料は、身体検査 4,250 円・学科試験 4,400 円・実技試験 19,000 円で合計 27,650 円です(施行規則第 144 条)。申請の前に病院で身体検査を受けて証明書を提出した場合、身体検査は 2,450 円になります。オンライン申請ではシステム利用料 2,200 円が加わり 29,850 円です。合格後、運輸局等へ免許申請をするときに登録免許税 1,500 円を収入印紙で納めます。申請の流れと必要書類は取り方の記事にまとめています。

  • すでに一級・二級を持っている人が特殊を受ける場合、学科は心得(一般)と交通(特殊)が免除され、JMRA によれば「運航科目(18 問)のみで試験時間は 20 分」。実技は受験します
  • 特殊と他の種別の試験は同時に申請できます(施行規則第 100 条)。その場合、身体検査はいずれか一方を省略できます
  • 特殊を先に取って後から一級・二級を取る場合は、学科の心得(一般)が免除されます

Lorebook では収録 440 問のうち 112 問を無料で公開しており、10 問で合格ラインとの距離を測る「実力チェック」も用意しています。

この記事は 2026 年 9 月 14 日時点で国土交通省・JMRA・e-Gov 法令検索が公表している内容をまとめたもので、合否を保証するものではありません。料金や制度は改定されることがあるため、受験前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。

よくある質問

一級の免許を持っていれば水上バイクにも乗れますか?
乗れません。国土交通省は「一級及び二級のボート免許だけでは水上オートバイを操縦することはできません」と案内しています。水上オートバイには特殊小型船舶操縦士の免許が別に必要です。
レンタルの水上バイクでも免許は必要ですか?
水上オートバイに船長として乗船するには特殊の免許が必要です。さらに施行規則第 134 条により、特殊小型船舶に乗船するときは自己操縦義務の対象になり、JMRA は「有効な資格を有する者の自己操縦が義務付けられています」と案内しています。免許を持たない人に操縦させることはできません。
特殊の学科試験は何問正解すれば合格ですか?
40 問中 26 問以上、かつ心得 12 問中 6 問以上・交通の方法 10 問中 5 問以上・運航 18 問中 9 問以上の正解が必要です。
何歳から水上バイクの免許を取れますか?
法第 23 条の 4 により 16 歳からです。受験自体は、施行規則第 98 条により試験開始期日の前日までに 15 歳 9 月以上であれば可能です。
特殊の免許でボートは操縦できますか?
できません。JMRA は「特殊は水上オートバイ専用免許で、ボートは操縦できません」と案内しています。ボートには一級または二級の免許が必要です。

出典

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