無人航空機操縦者技能証明(ドローン国家資格)学科試験

ドローン国家資格 一等と二等の違い — できる飛行・限定・学科と実地試験

一等と二等の違いは、航空法が定める「立入管理措置」の有無です。二等は立入管理措置を講じた上で行う特定飛行(カテゴリーⅡ)、一等は講ずることなく行う特定飛行(カテゴリーⅢ)に対応します。第三者の上空を飛ぶかどうかが分かれ目で、カテゴリーⅢは一等の技能証明と第一種機体認証に加え、飛行ごとの許可・承認がそろって初めて飛べます。学科で一等だけに加わる項目は 3 つ、実地の合格に必要な持ち点も違います。

法律上の違いは「立入管理措置」の有無

航空法第 132 条の 42 は、技能証明の資格を 2 つに分けています。一等無人航空機操縦士は「立入管理措置を講ずることなく行う」特定飛行、二等無人航空機操縦士は「立入管理措置を講じた上で行う」特定飛行に対応する資格です。飛行経路の下に人が立ち入らないようにする措置を講じるかどうかが、条文上の分かれ目です。

指定試験機関(日本海事協会)は「カテゴリーⅢ飛行に必要な技能に係る一等無人航空機操縦士と、カテゴリーⅡ飛行に必要な技能に係る二等無人航空機操縦士との2つに区分され」と案内しています。国土交通省はカテゴリーⅢを「第三者の上空で特定飛行を行う」もの、カテゴリーⅡを「第三者の上空を飛行しない」ものと説明し、前者を「レベル 4 飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を含むカテゴリーⅢ飛行」とも言い換えています。

できる飛行と、そろえる手続き

カテゴリーⅡ・Ⅲでそろえる手続き(指定試験機関の案内より)
飛行の形態必要な手続き
カテゴリーⅡ機体認証(第二種)・技能証明(二等)の取得により原則飛行可能
カテゴリーⅢ機体認証(第一種)・技能証明(一等)の取得 かつ 飛行毎の国の許可・承認の取得 の全ての手続きがそろって飛行可能

教則(第 5 版)3.1.1(2)5) も、カテゴリーⅢ飛行は「一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させることが求められる」ことに加え、運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受けて許可・承認を得ることで可能になるとしています。カテゴリーⅡB 飛行は「技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合には、特段の手続き等なく飛行可能である」とされています。

  • 二等でも、空港等周辺・150m 以上の上空・催し場所上空・危険物輸送・物件投下・総重量 25kg 以上の飛行は「技能証明や機体認証の有無を問わず、個別に許可・承認を受ける必要があります」
  • 許可・承認が不要になるのは「DID上空、夜間、目視外、人又は物件から30mの距離を取らない飛行」で総重量 25kg 未満の場合に、立入管理措置・技能証明・機体認証・飛行マニュアルの作成等がそろったときです。夜間飛行と目視外飛行には「技能証明の限定変更が必要となります」
  • 無人航空機の登録は、カテゴリーⅠからⅢまでの全ての飛行形態(屋外)で必要です

限定は一等・二等に共通の仕組み

限定は資格の区分とは別に付きます。航空法施行規則第 236 条の 40 は、種類についての限定を「回転翼航空機(ヘリコプター)」「回転翼航空機(マルチローター)」「飛行機」の 3 つと、それぞれの「最大離陸重量二十五キログラム未満」のものを合わせた 6 区分に分け、飛行の方法についての限定を種類ごとに 2 つ定めています。指定試験機関は飛行の方法の限定を「目視内飛行」「昼間飛行」と案内しています。

限定は「実地試験に使用される無人航空機及び当該実地試験における飛行の方法により行う」ものです。航空法第 132 条の 43 第 2 項により、限定された範囲でなければ特定飛行は行えません(許可・承認を受けて行う場合を除く)。限定を外すのが限定変更で、国土交通省は機体の種類・最大離陸重量の拡大(25kg 以上)・夜間飛行・目視外飛行への「変更が可能です」と案内しています。

学科試験 — 一等だけに 3 つの項目が加わる

学科試験は二等が三肢択一 50 問を 30 分、一等が 70 問を 75 分で、受験料は二等 8,800 円・一等 9,900 円です。出題数・時間・合格基準は「ドローン国家資格の学科試験は難しい?」で扱っています。

出題範囲は「無人航空機に関する規則」「無人航空機のシステム」「無人航空機の操縦者及び運航体制」「運航上のリスク管理」の 4 科目で、一等・二等に共通です。国土交通省の通達は二等の科目を、一等の各科目から「無人航空機の飛行性能」「飛行性能の基本的な計算」「カテゴリーⅢにおけるリスク評価」を「除いたもの」と定めています。

一等だけに加わる学科試験の項目(国土交通省 通達・指定試験機関の出題範囲より)
科目一等だけに加わる項目
無人航空機のシステム無人航空機の飛行性能
無人航空機のシステム飛行性能の基本的な計算
運航上のリスク管理カテゴリーⅢ飛行におけるリスク評価

指定試験機関は「一等と二等との区分以外には、機体の種類や限定の内容に関わらず共通の試験となります」と案内しています。

実地試験 — 持ち点と課題が違う

実地試験は「机上試験、口述試験、実技試験で構成されています」。合格基準はどちらも「100点の持ち点からの減点式採点法」で、各試験科目終了時の持ち点で判定されます。

実地試験の合格基準と机上試験(回転翼航空機(マルチローター)の実施細則より)
区分合格に必要な持ち点机上試験の出題数机上試験の制限時間
二等70 点以上4 問5 分
一等80 点以上5 問10 分
  • 実技試験の飛行経路は、二等が「スクエア飛行」「8の字飛行」「異常事態における飛行」
  • 一等は「高度変化を伴うスクエア飛行」「ピルエットホバリング」「緊急着陸を伴う8の字飛行」で、一等の細則にだけ「機体を一回転させる時間が、16 秒未満又は 26 秒以上であったとき」という減点細目があります
  • 実地試験は機体の種類と限定の内容ごとに実施され、「一等、二等ともに登録講習機関による講習の受講及び修了審査の合格をもって、指定試験機関での実地試験は免除できます」

二等を持っている人が一等を受けるとき

航空法施行規則第 236 条の 51 第 1 項は、学科試験合格証明書で学科試験が行われない範囲を定めています。一等の学科合格は「一等無人航空機操縦士試験又は二等無人航空機操縦士試験」に使えますが、二等の学科合格で省略できるのは「二等無人航空機操縦士試験」までです(合格日から二年を経過する場合を除く)。

同条第 2 項は「既得の技能証明に係る学科試験と同一のものであつて国土交通大臣が同等又はそれ以上と認めたものについては、これを行わない」と定め、実地試験にも第 236 条の 52 が同じ構造の規定を置いています。ただし、どの科目が「同等又はそれ以上」に当たるかの一覧は、国土交通省・指定試験機関の公表資料では確認できませんでした。

施行規則第 236 条の 68 第 2 項は、現に有する資格以外の資格の技能証明を受けたときは「交付を受ける技能証明書と引換えに、その有する技能証明書を国土交通大臣に返納しなければならない」と定めています。登録講習機関の学科講習の免除は、一等の講習では一等についての書類が対象と告示で定められています。

Lorebook では教則の章立てに沿った 302 問(第 5 版〈2026 年 7 月 14 日適用〉に合わせて更新済み)のうち 78 問を無料で公開しており、10 問で合格ラインとの距離を測る「実力チェック」も用意しています。

この記事は 2026 年 9 月 14 日時点で公表されている資料をまとめたもので、合否を保証するものではありません。受験料・手数料・制度・教則の版は改定されます。受験や申請の前に、国土交通省と指定試験機関の公式サイトで最新の内容を必ず確認してください。

よくある質問

一等と二等でできる飛行はどう違いますか?
二等は立入管理措置を講じた上で行う特定飛行(カテゴリーⅡ)、一等は講ずることなく行う特定飛行(カテゴリーⅢ)に対応します。カテゴリーⅢは一等の技能証明と第一種機体認証に加え、飛行毎の国の許可・承認がそろって飛行可能になります。
夜間飛行や目視外飛行は一等でないとできませんか?
資格の区分ではなく限定の問題です。国土交通省は、夜間飛行と目視外飛行を許可・承認申請が不要なカテゴリーⅡとして行う場合に「技能証明の限定変更が必要となります」と案内しています。限定変更は一等・二等に共通の仕組みです。
学科試験は一等と二等でどれだけ違いますか?
4 科目は共通で、一等だけに「無人航空機の飛行性能」「飛行性能の基本的な計算」「カテゴリーⅢ飛行におけるリスク評価」の 3 項目が加わります。出題数・時間は二等 50 問 30 分、一等 70 問 75 分です。

出典

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