技術士第一次試験(基礎科目・適性科目・専門科目〔建設部門〕)

技術士第一次試験とは? 科目・出題数・時間・合格基準を公表資料で整理

技術士第一次試験は、基礎科目・適性科目・専門科目の 3 科目を 1 日で解く、すべて五肢択一の筆記試験です。合否は科目ごとに決まり、基礎・適性・専門のそれぞれで 50% 以上の得点が必要です(3 科目の合計ではありません)。受験資格に年齢・学歴・業務経歴等による制限はなく、合格すると「修習技術者」として技術士補となる資格を有します。出題数・解答数・配点・時間を、公表資料の数字だけで整理します。

3 科目と 20 の技術部門

第一次試験は基礎科目・適性科目・専門科目の 3 科目で、総合技術監理部門を除く 20 の技術部門について行われます。実施大綱は「試験は筆記により行い、全科目択一式とする」と定め、受験申込み案内は解答方式を「全て五肢択一式(マークシート方式)」としています。

  • 基礎科目: 科学技術全般にわたる基礎知識
  • 適性科目: 技術士法第 4 章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
  • 専門科目: 受験者があらかじめ選択する 1 技術部門に係る基礎知識及び専門知識

総合技術監理部門については「当分の間、第一次試験は実施されません」と案内されています。実施大綱は、基礎科目及び専門科目の程度を「4 年制大学の自然科学系学部の専門教育課程修了程度」としています。

出題数・解答数・配点・解答時間

出題数と解答数が科目ごとに違うのが、この試験の特徴です。

科目ごとの出題数・解答数・配点・解答時間(令和8年度受験申込み案内・実施大綱より)
科目出題数解答数配点解答時間
基礎科目5 つの問題群から各 6 問・計 30 問各群 3 問ずつ計 15 問を選択15 点満点(1 問 1 点)1 時間
適性科目15 問全問を解答15 点満点(1 問 1 点)1 時間
専門科目35 問25 問を選択50 点満点(1 問 2 点)2 時間

案内には「指定された問題数を超えて解答した場合は、最初の解答から指定された問題数までを採点の対象とし、以降の解答を採点の対象から除外します」とあります。基礎科目の 5 群は次のとおりです。

  • 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
  • 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
  • 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
  • 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)

当日の時間割は科目表の並びとは逆で、専門科目から始まります。

令和8年度の時間割(令和8年11月22日(日)・受験申込み案内より)
時刻科目時間
10:30〜12:30専門科目2 時間
13:30〜14:30適性科目1 時間
15:00〜16:00基礎科目1 時間

受験すべき試験科目を 1 科目でも欠席した場合や、途中退席・答案未提出・受験番号の未記入等があった場合は「失格」です。

合否決定基準は「科目ごとに 50% 以上」

文部科学省が令和 8 年 1 月 19 日に公表した令和 8 年度技術士試験合否決定基準では、基礎科目・適性科目・専門科目のそれぞれについて「50% 以上の得点」とされています。3 科目の合計ではないので、1 科目でも下回ると合格になりません。受験申込み案内はこれを点数で補足しています。

  • 基礎科目: 15 点満点で 8 点以上
  • 適性科目: 15 点満点で 8 点以上
  • 専門科目: 50 点満点で 26 点以上(1 問 2 点)

専門科目は 1 問 2 点なので、26 点は解答する 25 問のうち 13 問の正解にあたります。分母は出題される 35 問ではありません。

Lorebook の模擬試験と実力チェックは、この科目ごとの基準を全体の得点率 50% に均した独自の簡易判定です。また本試験のような選択解答(基礎科目は各群 6 問から 3 問、専門科目は 35 問から 25 問)は再現していません。

専門科目は 20 部門から 1 部門を選ぶ

専門科目で解くのは、受験者があらかじめ選ぶ 1 技術部門の問題です。日本技術士会の科目表によると、建設部門(09)の専門科目「建設」の範囲は、土質及び基礎から建設環境まで 11 項目に分かれています。基礎科目・適性科目は部門によらず共通なので、他部門を受験する場合もこの 2 科目は同じです。

この 11 項目は第一次試験の専門科目 1 科目の出題範囲です。第二次試験で 1 つを選ぶ「選択科目」と文言は同じですが別の概念で、第一次試験で受験者が選ぶのは技術部門です。

受験資格と、合格した後の位置づけ

受験資格は、公示で「年齢、学歴、業務経歴等による制限はない」、受験申込み案内で「年齢・学歴・国籍・業務経歴等による制限はありません」とされています。案内は第一次試験を「技術士になるための第 1 段階の試験」と位置付けています。

合格者は「修習技術者」になります。これは「技術士第一次試験合格者及びそれと同等と認められた者」で技術士補となる資格を有する者を指す呼称で、法律用語ではなく、登録の必要もありません。

一方、「技術士補」を名乗るには登録手続きが要ります。補助しようとする技術士(同一技術部門の技術士に限る)の氏名・事務所等の明記が必要で、登録免許税 15,000 円(収入印紙)と登録手数料 8,100 円(非課税・令和 8 年 1 月 1 日から。改定前は 6,500 円)がかかります。日本技術士会は「必ずしも技術士補に登録する必要はありません」とも案内しています。

なお、その修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定した課程(技術士法第 31 条の 2 第 2 項)を修了した人も、技術士補となる資格を有します。日本技術者教育認定機構(JABEE)が認定した教育課程が指定されており、一覧は文部科学省が公表しています。試験の一部免除は技術士法施行規則第 6 条に基づく 3 類型のみで、他資格で専門科目が免除されるのは経営工学部門または情報工学部門で受験する場合です。

Lorebook では収録 360 問のうち 90 問を無料で公開しており、10 問で合格ラインとの距離を測る「実力チェック」も用意しています。

この記事は 2026 年 9 月 14 日時点の公表資料に基づく整理で、合否を保証するものではありません。日程・受験手数料・試験地・制度の内容は年度によって変わるので、受験前に日本技術士会と文部科学省の公式サイトで必ず最新の案内を確認してください。

よくある質問

技術士第一次試験は誰でも受けられますか?
受験資格に年齢・学歴・国籍・業務経歴等による制限はないと案内されています。
合格するには全体で何点必要ですか?
合否決定基準は合計ではなく科目ごとです。基礎科目 15 点満点で 8 点以上、適性科目 15 点満点で 8 点以上、専門科目 50 点満点で 26 点以上が必要です。
出題された問題は全部解くのですか?
いいえ。基礎科目は各群 6 問・計 30 問から各群 3 問ずつ計 15 問を、専門科目は 35 問から 25 問を選択して解答します。全問に解答するのは適性科目の 15 問だけです。
第一次試験に合格すると技術士補になれますか?
合格者は修習技術者となり、技術士補となる資格を有します。ただし「技術士補」の名称を使うには登録手続きが必要で、登録免許税 15,000 円と登録手数料 8,100 円がかかります。

出典

関連する記事

実力チェックで今の力を測る(10問・無料)